患者さん一人ひとりと向き合いたい。

看護師になろうと思ったきっかけは、ある日病院で検査を受けることになった時、不安そうにしていた私を看護師さんが追いかけてきて、「大丈夫だから」と声をかけてくれたことが大きかったです。「看護師はそんなに人の気持ちを考えながら働いているのか」と、衝撃だったのを鮮烈に覚えています。新卒の看護師として大学病院で働き、保育園や通所リハビリテーションで働く中で感じたのは、私は看護師としてできるだけ患者さん一人ひとりと向き合える環境で働きたい人なんだ、ということ。その思いを叶えるには、地域との接点をしっかりと持つ病院で働くのがいいのではないかと考え、当院へ入職することにしました。
患者さんと接する機会が随分増えた。

今は、外科病棟の看護師として働いています。大学病院の時は脳外科病棟だったのですが、その当時と比べて当院の外科病棟は患者さんの入れ替わりが激しい印象を受けています。一泊二日で泌尿器科の検査入院の方がいたり、最近では整形外科の患者さんの入院も増えてきたりで、平均すると2〜3週間で退院される方が多いと思います。大学病院の時は寝たきりの患者さんが多かったのですが、当院では意識がクリアな患者さんが多く、患者さんとコミュニケーションを取る機会が増えました。そういう病院での勤務はまだ慣れていないので、どうやってコミュニケーションを取ればいいか、試行錯誤を繰り返しています。
患者さんに信頼されて嬉しかった。

患者さんとコミュニケーションを取っていると、私のことを信頼してもらえるようになったんだ、と感じる瞬間があります。以前、80歳代の女性の患者さんが肺炎で入院されていて、腰に痛みを抱えていらっしゃるようでした。痛み止めは処方されていたのですが、ある日、意を決したように「腰の痛みが全く良くならない」と私に伝えてくださいました。そんなに痛いのなら検査をしてみましょう、ということで検査をしたところ、実は腰の骨が折れていたことがわかりました。その方は「肺炎で入院しているだけから、なかなか言い出せなかった」とおっしゃっておられましたが、もっと早く検査するよう促せばよかったという反省とともに、私を信頼して伝えてくれたことがとても嬉しかったことをよく覚えています。
みんなが目をかけてくれている。

病院勤務の看護師に復帰してから間もないこともあって、自分の看護技術にはまだまだ自信を持てるような状況ではありません。そんな不安のある私のことをちゃんと「新人さん」と思ってくださって、みんなが目をかけてくださるのがとてもありがたいと感じています。業務中でも「大丈夫?」と声をかけてくださったり、「経験したことがない処置があるから見学しに行きましょう」と促してくださったり。病棟の看護師の人数は決して多いとは言えないと思いますが、だからこそ「新人さん」はちゃんとみんなで育てよう、という意識を持っていただいているのをひしひしと感じます。だから私もがんばって、少しでも早く成長しようという意識になれているのだと思います。